質屋いまむかし


世の中が変わっていくとともに、質屋も昔と今では少しずつ変わってきました。
その様子をいろいろな角度から見てみましょう。

質屋の起源
  質屋の起源を調べてみると、700年ぐらい前、鎌倉時代にさかのぼります。
それまで、物々交換で成り立っていた経済が、貨幣経済に移行することによって、金策の工面に急を要する場面が生じ、現代の質屋形態が出来上がってきたのです。


質草について
  思い起こしてみれば、案内人が生まれる前(昭和40年)は、呉服、洋服など衣類が主流でした。その他のものでは、布団、鍋、やかんなどの生活用品です。特に記憶に残っている質草は、碁盤や将棋板、マージャンパイなどで、当時は重要な質草だったようです。
  その後、主流は電気製品に移行し、冷蔵庫、テレビ、ラジオなどが並び始めました。 変わったものでは、自転車、オートバイも質屋の倉庫に入っていたのを思い出します。 現在(質屋を手伝うようになってから)は、貴金属、宝石類、高級時計などが主流となり、それに加えて、ルイ・ヴィトンやシャネル、エルメスなどの高級ブランド製品(バック、財布類など)が主流になってきました。


世の中の価値観
  世の中の価値観というものは、めまぐるしく変わります。
昔に比べ、国民の生活水準が高くなり、今や使い捨てが当り前の世の中になりました。新しい商品も消費者のニーズに応じて、次から次へと生まれてきます。
また、安い製品が海外(中国やインドネシアなどのアジア圏)から、多く輸入されるようになり、中古品の価値が、ますます低くなってきました。
その反面、日本製のセイコー、シチズン、オリエントなど、海外製では、ロンジンやオメガなどのアンティークの時計は稀少性などから人気が出てきています。
今や流行を左右するのは、テレビに出てくる人気の歌手や俳優が身につけている物だったり、マスコミの戦略であったり、雑誌によるブームであったりもします。
質屋も、その時代の波に乗り遅れないよう、アンテナを張り巡らして生きていく、大変な時代になってきました。


これからの質屋
  これからの質屋として、質屋はただ物を担保に現金を渡すだけではありません。高級ブランド商品や付加価値の高い商品に似せた物が多くなってきた昨今、質屋は、こういう商品の真偽を見極め、質流れ品として本物を、安くお客様に提供することのできる数少ない商売の一つであることを、頭の隅に止めておいてもらえれば幸いです。

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