以下3回に渡って私どもが鑑定書・鑑別書のどういう項目を見て参考にしているのかということを、ご説明しましょう(あくまでも私のお店に関してですが)。
いろいろな鑑別機関の鑑定書があります。これから挙げる項目の順番はそれぞれ違います。
例として、中央宝石研究所の鑑別書で説明をしてみます。
- 鑑別結果
- 透明度と色
- カットの形式
- 重量
- 寸法
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- 写真
- 屈折率
- 比重
- 偏光性
- 多色性
- 蛍光性
- 分光性
- 拡大検査
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以上の項目が左右欄に分かれて書かれています。左欄は外観について表示されています。
右欄は、精密機械を用いて宝石を客観的に測定した項目が挙げられています。
(1)か(12)まで説明をするのは少し専門的になりすぎますので、私が個人的に重要と思って参考にしている項目をクローズアップしてみましょう。
まずはなんと言っても、右欄の(6)写真が最も重要です。
今、手にした商品と写真に写っている商品が同じかどうかということが、第一の判断になります。石の大きさが極端に小さいとか、周りのデザインが違っている等。別の鑑別書を持ってきていることも多々ありますので、注意が必要です。
次に重要なのは、(1)の鑑別結果です。
例えば、赤い石の指輪があったとします。きれいな宝石なのですが、『天然ガーネット』と表示されています。誕生石などで好きな人もいますので、こういう言い方をすると申し訳ないのですが、よっぽど大きくない限り、価格的にはルビーに比べたら安くなります。しかし、この赤い石が鑑定の結果で、『天然ルビー』と表示されていたら、ガーネットに比べ格段に高い宝石です。このように鑑定結果によって、宝石の価値は大きく変わってくるのです。