金剛石というのはダイヤモンドの和名の事です。ほとんどの方が、ダイヤモンドは、無色透明の色を思い浮かべると思いますが、いろいろな色があるというのをご存じでしょうか。たくさんの種類がある代表的な宝石はサファイアなどで、グリーンやイエロー、ブルーは一般的ですが、バイオレットや無色透明なホワイトサファイアなどたくさんの種類があります。ただ赤色のサファイアだけがレッドサファイアといわず、ルビーと呼ぶのです。サファイアほど有名ではないかもしれませんが、ダイヤモンドも希少性のあるブルーやレッド、そんなに希少性のないブラウンやブラックなどの色をしたダイヤモンドがあるのです。
ダイヤモンドは以前このコーナーでお話しした事があるのですが、4C でダイヤモンドの価値が決まってきます。4C とは、
(1) カラットCarat (重さ)
(2) カラー color (色)
(3) カットCut (プロポーション)
(4) クラリティー Clarity (透明度)
の英語の頭文字をとって4つのC と呼ばれます。その4C の評価でダイヤモンドの価値が決定されます。ただし、(2) のカラーでは無色のダイヤモンドから黄色みを帯びたダイヤモンドだけをD〜Z までのアルファベットを使って評価します。その他の例えば、ブルーやピンクやレッドなどのめずらしいファンシーカラーは(2) のカラーとは異なり、色の深さや鮮やかさに基づいて評価されるのです。
ここで、ファンシーカラーダイヤモンドの希少性について少しお話しいたしましょう。天然のファンシーカラーダイヤモンドの採掘される確率は、一般に採掘されるダイヤモンドの0.06% と極端に低いのです。数値から見ても、いかに希少性が高いかがお分かりになるでしょう。その中でも、良質で最も希少性の高い色は、なんといってもブルーになります。一般的にファッションリングなどで使われているブルーのダイヤモンドはほとんどが処理石(トリートメント)になります。こう言っては申し訳ないのですが、天然のそれとは価格的に雲泥の差があります。その次に希少性のあるのが赤系でしょうか。赤色のダイヤモンドになりますとになると、なかなか目にする事がないダイヤモンドでしょう。最近は婚約指輪などの石の脇石としてピンクのメレーダイヤが使われているのをよく見るようになりました。という事は小さいピンクに関しましては、けっこう市場には出回っているという事でしょうか。ただ大きいピンクダイヤモンドに関しましては、年間を通してもそんなに採掘されてはいないので、これも大変希少なダイヤモンドなのです。
ファンシーカラーダイヤモンドのグレーディングとして、高い順に表します。
- Fancy Vivid(ファンシービビット)鮮やかな色が出ている物
- Fancy Intense(ファンシーインテンス)強く綺麗に色が出ている物
- Fancy (ファンシー)綺麗に色が出ている物
- Fancy Light (ファンシーライト)多少薄めであるが色が綺麗に出ている物
- Light (ライト)薄いが色が認められる物
- Very Light (ベリーライト)かなり薄めであるが色が認められる物
- Faint (フェイント)僅かであるが色が認められる物
希少性のあるブルー系やグリーン系はなかなか見る事はできないのですが、ピンク系やイエロー系に関しましては、たまに見る機会があります。以前(
7、8 年ぐらい前かなあ)ほどではないと思いますが、現在でもピンク系は高くなります。一般的なホワイトのダイヤモンドでは
4C でも話したとおり、クラリティーが値段に密接に関係しますが、ファンシーダイヤモンドに関しましては、当然クラリティーが良いにこした事はないのですが、色目(上記のような
1〜7 まで)が大変影響するのです。イエロー系のダイヤは、ビビットのような鮮やかな黄色は高いと思われますが、一般的なライトイエローやベリーライトイエローなどのダイヤモンドは、価格的にはそんなに高くないという事です。興味のある人はぜひ、今度ショーケースを覗く時には、ダイヤモンドの色に着目してみてはいかがでしょうか。