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 '09/08/31 この宝石なんていうの?


太田質店でも、稀ではありますが、こういった宝石が持ち込まれる事がございます。
まずは、写真を見て頂きましょうか。

読者の方には、手にとって見ていただけないのが残念なぐらいです。まず、この指輪を見ていただいた場合、最初にこの宝石が単純にきれいかどうかを考えてもらいます。質屋にはその品物に惚れてしまったら失敗だ、という事が多々あります。当然欲しくて欲しくてしょうがなくなった場合に冷静な判断が出来なくなり、相場の値段が分からなくなったり、その品物が本物であるかどうかなどが分からなくなってしまう事があります。そのため惚れてしまったらいけないのですが、単純に綺麗かどうか、がまずは大事ではないでしょうか。

 この指輪に話を移しますと、色が黄色の濃い感じ、黄金色といった方がよいでしょうか。または黄色の黒っぽい透明感のある色といった方がよいでしょうか。単純に綺麗ではないですよね。そこで判断しますと、「この宝石自体はあまり価値がないな。」となります。綺麗だから価値がある、という判断も間違いですが、綺麗ではない宝石に価値はないといった方がよいでしょう。私も太田質店に持ち込まれて、その宝石が分かるに越した事はないのですが、すぐにはこの宝石が何の石なのかは分からない場合もあります。このような色をした宝石を頭の中に浮かばせて見ますと、スモーキークォーツ、それから、ダイアモンドも当然こういった色のもあります。ただダイアモンドの場合は硬い感じがするため鋭角に鋭くカットされていて、どちらかというと丸みを帯びたような感じがします。しかも、この場合の宝石のカットはダイアモンドのカットにはないパターンですから、ダイアモンドではないのはすぐに分かります。そして、トルマリン、ガーネット、トパーズ、それから、前回勉強しましたスフェーンも色から見ればあるかもしれません。しかし、私は見た事のない宝石のようでもあります。ここで、またこの指輪を観察してもらいたいのですが、プラチナ台で、しかも両サイドにダイアモンドがついています。こういった場合、指輪自体が良いので、真ん中の石もそんなに値段の低い宝石は使わないのが普通です(一概には言えないのですが)。今回は私が疑問を持ちながら(その辺の石だろう)買い取りました。そして、後日鑑別機関に持ち込みました。結果は天然ジルコンだったのです。結構単体の宝石として出回るのは珍しい宝石で(価値はあまりないです)あまり持ち込まれない商品だったので、少しこれを機会に勉強したいと思います(太田質店だけかも?)。

  ジルコンは和名が風信子石といいます。特徴としましては、屈折率が高く光輝も強いために古代ギリシャ人に好まれた宝石の一つです。そして、ジルコンの無色透明はダイアモンドの代用品として用いられています。ジルコンの化学成分はZrSiO4です。ジルコンは物理的特性の違う二つのタイプ(ハイ・タイプとロー・タイプ)と、その中間的な性質の三つのタイプに分類することができます。ここでは、ハイ・タイプのみの話にし、ロー・タイプの話は難しくなりますので割愛させて頂きます。ジルコンは顕著な特徴であります高い複屈折率(0.059)のために生じるダブリング(二重像現象)が見られるのです。ここで写真に戻りますと、何となくダブリングが見えませんでしょうか。私も最初にピンとくれば、何となく分かったかもしれない宝石をピンと来なかったのは私の勉強不足ではないかと反省しきりです。そして、値段的には?そうきましたか。天然ジルコンではございますが、冒頭でもお話した通り、ジルコンを値段に入れる事は出来ません。しかしながら、当然プラチナ台で、しかも、ダイヤが両脇についていますので、その値段は含んで値段を出さないといけないでしょうね。





 '08/12/02 あまり知られていない宝石について(4)


(4) ツァボライト

またまた面白い宝石に出会いました。このツァボライトは、皆さんは知っておられる方が多いのではないでしょうか。というのも、ティファニー社が命名した宝石だからです。  1968年に、アフリカ・ケニアのキリマンジャロ山の東方にある世界最大級の自然公園であるツァボ国立公園から発見されたグリーンのグロッシュラー・ガーネットなのです。ここで新種の宝石のプロモートに熱心なティファニー社がツァボライトと命名したのが始まりなのです。この深みのあるエメラルドのような緑色は、エメラルドと同じように、パナジウムとクロムという元素が含まれているのです。
 ここで、少し科学的に見てみましょう。まず、化学組成はCa3Al2(SiO43 です。そして、結晶系は等軸晶系です。モース硬度は7、比較的固く宝石には充分の硬さです。屈折率は1.737−1.740と宝石の中では大きい方ではないでしょうか。例えば、ダイアモンドは別としまして、サファイアが1.76−1.77です。トパーズが1.62−1.63です。水晶に関しては1.54−1.55と屈折率が低いのです。これで分かるように、サファイアと同じぐらい屈折率があり大変輝きがあるというのが分かると思います。
 このツァボライトは、透明度が高く輝きが強いものが多いのです。しかも、インクルージョンが比較的少なく、このためカットして大変美しい宝石に仕上がるのです。ただあまり大きいものが採掘されないというのがあるのです。大体1ctを超えるものは少ないとの事です。このため値段的には割高になるのは仕方がありませんね。
 私は個人的に大変緑色が好きです。エメラルドの色、そして、このツァボライトの色などすばらしい深みの緑で大変綺麗ですねえ。興味のある方はぜひ、調べてみてはいかがでしょうか。ひょっと美しいツァボライトに出会うかもしれません。

                            (宝石2 諏訪恭一著参照)





 '08/10/31 あまり知られていない宝石について(3)


(3) 紅柱石

この宝石を知っている方は、大分宝石について詳しい方でしょう。アンダリュサイトという宝石なのですが、面白いのは、この石が最初に発見されたスペインのアンダルシア地方の名からアンダリュサイトと名づけられたのです。しかも、この石の特徴は多色性が顕著な事で知られています。
ここで少し多色性について簡単に説明しておきましょう。多色性とは同一光源において見る角度により違った色に見える現象です。それぞれの結晶方向で光の吸収伝達が違う宝石に起こります。
このアンダリュサイトの場合、帯灰緑色、暗赤色、帯褐黄色の強い三色性を示します。基本的には、カットする場合にテーブル面に緑色を示す方向がとられますが、カット面の反射による横方向の赤色が同時に上面からながめられます。アンダリュサイトを知らない人がこの宝石を見た場合、高級で希少性のあるアレキサンドライトの変色性だと勘違いすることがあるぐらいです。

さて、このアンダリュサイトについてですが、化学式はAl2SiO5で、アルミニウム珪酸塩鉱物です。モース硬度は6.5〜7.5でまあまあの固さで、宝石としては水晶と同じぐらいでしょうか。最も多く産出するのがブラジルで、スリランカやカナダ、そしてスペインなども産出します。
このアンダリュサイトは、私のお店では一度しか見た事がないぐらい稀な流通です。しかし、前述でもお話したように多色性など宝石学上は興味を引く宝石で収集家など向きの宝石になります。もし、このコーナーを見て興味を持った方は探してみられたらどうでしょうか。値段的には比較的割安感のある宝石だと思います。





 '08/09/30 あまり知られていない宝石について(2)


(2) 緑柱石(モルガナイト)

皆さん、「モルガナイト」という宝石を聞いたことがありますか。宝石の好きな人は、名前は聞いたことがあると思いますが、知らない人も多いと思います。ルビー、サファイア、エメラルドなど有名な宝石に比べて、あまりメジャーではないからです。また、名前は知っていても、どんな色なのかなど知らない人がほとんどではないでしょうか。私のところでもあまり手にする事がない宝石の一つだったため、このコーナーに取り上げることにしたのです。
 モルガナイトは、エメラルドやアクワマリンと同じベリルの仲間に入ります。面白いのがこのモルガナイトという宝石は、まだ名前が出来てから100年も経っていないということです。しかしながら、この宝石自体は100万年前から存在し、1911年前まではベリルの変種、ピンクベリルと呼ばれていたのです。ティファニー宝石店の宝石顧問であったクンツ博士が銀行家で大富豪の、そして、鉱物のコレクターであったP・J・モルガン氏の名前をとって「モルガナイト」と命名したのです。
 モルガナイトは、硬い鉱物でモース硬度は7.5〜8あります。宝石としては適しています。ベリルは無色透明な鉱物で、そこにマンガンが入ることにより、美しいピンク色になるのです。モルガナイトの産地として有名なのが、ブラジル、パキスタン、アフリカ、マダカスカルなどです。しかし、あまり市場では人気が盛り上がっていないというのが現状で、稀に宝石に適しているのが産出されても、大半は加熱処理によって、アクワマリンに変身させ市場で出回っているのです。このため、価格的には安価であります。私があまり見かけないというのも、宝石としては稀であるのはもちろん、値段的に安いというのがあるからではないでしょうか。





 '08/08/31 あまり知られていない宝石について(1)


 宝石にはたくさんの種類があります。誰でも知っているであろう宝石は、誕生石などが一般的ですよね。しかし、誕生石や一般的に売られている宝石は宝石の中の一部分でしかありません。いろいろな変わった宝石があり、綺麗な宝石から希少性のあるもの、そして、日本にも多く産出するような宝石まであるのです。今回お話しするのは、世間ではあまり知られていない宝石にスポットを当てて、太田質店でも数度しか扱った事のない宝石や私も手にした事のない宝石など、紹介してみたいと思います。

(1) くさび石(和名)

一般的には「スフェーン」といいます。スフェーンの名前の由来は、結晶体がくさび形をしているため、ギリシャ語のくさびを意味する「スフェノス」から来たそうです。鉱物学上はチタナイトに分類されます。その名が示すようにチタンを含み、変成岩や花崗岩中の空洞から産出されています。化学組成は「CaTiSiO5」です。世界の様々なところで産出はありますが、宝石用として産出されるところは、マダカスカルやブラジル、パキスタンの一部から主に産出される。特に大きな結晶は希少性があるため、カットをされずにそのままで収蔵されることが多いのです。 良質のスフェーンの特徴は光を受けると、ダイヤモンドを凌ぐ煌きを発することです。その理由は複屈折量が大きいため、光の分散が大きい事が関係しています。そのためブリリアントカットされたスフェーンは、光を受けるとゴールドのような光の乱反射が起こり、美しい光のイリュージョンに包まれるのです。そして、透明感があり、淡い黄色、緑、褐色などの色合いが光を受けて輝くさまは大変美しいのです。カットしたファセット(面)ごとに色合いが違って見えるのも、強い個性の源になっています。ただ残念なことが一つあります。硬度が大変低く、5〜5.5しかありません。そのため、うっかりして、ぶつけたりしますと、欠けたりすることがあるので、本来はあまり宝石としては適さないのかもしれませんね。しかし、魅力的な色、輝きをしていますので、ぜひ興味のある方はお店で探してみてはいかがでしょうか。





 '08/07/31 大島紬について(2)


前回お話したように、奄美大島で始められた大島紬も明治5年には鹿児島市が産業として着目し、奄美から織工を招き製織普及に努めた結果、鹿児島県内に二大産地を形成するに至ったのでした。その一つが本場奄美大島であります。この証紙には地球儀の印がついています。対する鹿児島の証紙には日の丸の旗印になります。お持ちの大島紬の端布を確認してみたらどうでしょうか。どこの産地かがはっきり分かると思います。

マルキというのを聞いた事がありますでしょうか。マルキの事を本場大島紬の品質を表す単位と思われがちですが、縦絣糸の本数を表す単位の事をいいます。1マルキは縦絣糸80本をいいます。9.6マルキ、7.2マルキ、6.0マルキ、5.8マルキなどが主で、例えば9.6マルキの紡ぎは縦絣糸が768本(9.6×80本)入っていることになります。縦絣糸の本数が多いほど、経と緯の絣合わせが難しく、精巧な絣となり高級品となるのです。

算(よみ)というのを聞いた事があるでしょうか。縦糸の密度の単位を「算(よみ)」といいます。縫糸80本が1算で、13算か15.5算が主ですが、18算の製品もあるそうです。15.5の場合は筬幅(おさはば)約40pの間に、1240本(80本×15.5)の経糸がかかっていることになります。経糸の密度が高くなれば緯糸の打ち込み密度も高くなるのです。基本的に奄美は伝統的に13算で織られ、鹿児島は15.5算で織られているそうです。 大島紬は特に泥染めが特徴的です。糸は生糸を使用し、奄美大島に自生するテーチキ(車輪梅)の枝を細かく刻んで煮出し、その液で生糸を糸染めすると茶に染まります。その後、泥に浸し揉み込むと、泥が媒染剤の役割をして艶やかな黒色に染め上げられ、これを何度も繰り返す事で色の深みが出るのです。この茶がかかった黒の「泥大島」によって大島紬は全国に広まったのです。その他には、白大島や藍大島や草木染大島などがあります。 泥藍大島は植物藍で先染めした糸を絣むしろにして、テーチキと泥染めで染色した紬であります。地糸が泥染め特有の渋い黒地になっており、絣糸の部分が藍色を主体に表現された上品な紬です。

色大島は化学染料を使用して色絣模様を染色したものなので、地色、絣模様とも自由に配色ができ、モダンなものや大胆なデザインができます。 白大島は地糸を染めずに白のままで絣模様に色を入れた紬です。春の終わりや秋の初めなど単衣仕立てにして着られるのが嬉しいですね。 大島紬は太田質店にとっては重要な質草の一つに数えられます。というのも、結構皆さんがお持ちだということでしょうか。普段着の紬ですが、高級感を漂わせ、誰でも着物に興味がある人は欲しくなる着物の一つです。そのため、太田質店ではよく見かけ、そして着物を着なくなってきた時代でも多くを目にしております。これからも、どしどし手に取り多くを見て勉強しながら着物と一緒に太田質店も歩んでいこうと考えています。

(新・呉服に強くなる本参照)





 '08/06/18 大島紬について(1)


私たち質屋が取り扱う質草といえば、昔は身近にある生活用品が主でした。その中には鍋やヤカンといったものから、自転車や冷蔵庫などなど。その中でも、重要だったのが着物や背広といったものではなかったでしょうか。現在は、そういった生活必需品は、取り扱いが少なくなってきたのが現状です。その中で今でも重要な質草として扱っているのが着物なのです。とはいうものの、さすがに古いものについては難しくなってきました。しかし、新しい着物や帯などは太田質店としては、ますます勉強して頑張っていきたいところです。以前もこのコーナーでお話した「着物」ですが、今回はたいへん歴史があり、今でも人気のある着物についてお話してみようと思います。

大島紬の歴史
大島紬は日本最古の織物といわれる久米島紬からの流れだといわれています。足利時代に久米島の人が中国に渡り、織技法を習得し帰国後に同地ですでに発達していた織物と複合して絣紬技法を開発したといわれています。これが琉球と密接に関係があった奄美大島に伝授されたのです。当時の様子は島津藩が奄美大島の島民に出した禁止令「役人以外の島民は紬の着用を禁ずる」というのを見ても分かると思います。
明治に入って製法は次第に複雑化し緯絣模様のものも開発され、これらの絣は二、三寸織って一筋ごとに針で経絣を引き出し、入念に緯絣と合わせるので、絣が小さいほど時間と労力を要しました。今では全国に普及している大島紬でありますが、もともとは自家用が主であり、そのために手間はいとわなかったのでしょう。
そうして、大島紬の生産は大正十年には奄美大島で三十三万五千反、鹿児島では四十一万三千反に及び、高級着尺として広く愛用されたのであるが、ここで第二次世界大戦が始まり、戦後は生産が皆無となってしまい、特に奄美は米軍の管理下に置かれて復旧が遅れてしまったのです。そこで鹿児島では大島からの疎開業者と地元業者が立ち上がり、奄美の復帰までに鹿児島で産地の火を燃やし続けたのです。現在鹿児島県でも大島紬が盛んなのがうなずけると思います。(新・呉服に強くなる本参照)





 '08/05/12 店長のおすすめ商品について

烏城彫り
わが国には伝統工芸と呼ばれる商品が現在約1200品目あります。このうちの7割近くが小規模な産地で作られているのです。こういった工芸品はそれぞれの地域人々の支えで伝統を守ってきたのです。しかしながら、生産量も少なく皆様の目になかなか触れることがないというのが現状でしょうか。また、後継者不足というのもあり将来を危ぶむものもあります。

 その中で、これから説明する烏城彫りは岡山の地域に根付いたものになり、人々は自然に手にし、日常に使用しているのではないでしょうか。 まず、烏城彫りについて、どのようなものなのか分からない人のために簡単にご説明いたしましょう。木でできた商品で主にお盆などに使われているものが多く、中には手鏡やすずり、タンスや木の器など様々なものがあります。特徴としては、様々な種類の材料(主にケヤキ、桐、栃、桂など)で作られます。最大の特徴は熱や酸に強いということではないでしょうか。そのため、お盆などによく使われているのだろうと思います。漆を何層にも塗って仕上げて、木目を生かし、また、ワンポイントの彫刻が作品としては、芸術性を高めたものに仕上がっているのではないでしょうか。そもそもこの烏城彫りというのは、1925年に故木口九峰先生が始め、そして、烏城彫り協会というのが発足し、身体障害者やそれに準ずる人たちの支援として、烏城彫りの技術を習得させ、販売促進をし、自立更生をめざす社会福祉として始まったのが最初です。そして、徐々に烏城彫りが岡山県の中に浸透し、半世紀を経過してきたのです。今では烏城彫りの作家として活躍する人もおり、岡山県の特産物として認められてきた証なのです。
 この烏城彫りは値段も手頃ということもあり、親しみのある作品が多く、我が家にはもちろん、わがお店の(私の実家)太田質店にも数枚、お盆を持っています。皆様も興味のある方は一度手にしてみたらどうでしょうか。ちなみに質草としては適したものでない事を付け加えておきます。





 '08/04/01 店長のおすすめ商品について

現在はいろいろなブランドが発売され、世界の市場をにぎわっています。老舗のルイヴィトンやエルメスなどのように、昔も今も変わらないブランド力によって、我々消費者の注目を浴び続けているメーカーから、最近人気に火がついた若いブランドまであります。日本の伝統的な製品について目を向けて見ますと、どんなのがあるでしょう。私が個人的に好きなブランドから少しお話してみましょう。

普段身近に使用するとなりますと、お気に入りの手提げバックや財布やキーケースなど持ちたいものです。というのも、一日のうちに何度も手に触れますし、見るものですから当たり前のことですね。私がお気に入りのものとは「インデン」です。この「インデン」とは漢字で「印伝」または「印傳」と書きます。寛永年間に来航した外国人により印度(インド)装飾革が、幕府に上納された際に、名づけられたと伝えられています。その後、国産化されたものを「インデン」と呼ぶようになったとの事。

印伝(インデン)
鹿の皮に漆を載せた、しなやかな皮の製品です。これがまた味があるのですよ。この印伝の製品は、使い込めば使い込むほどに味が出るものなのです。何年も経つうちに、すれたりシワが出来たりします。それが、反対に味わいになって、またまた愛着がわいてくるのです。私は最初に持ったのが財布でしたが、ジーパンの後ろのポケットに入れておくのですが、自分のお尻の形に折れ曲がり、適度にシワがより、そりゃあ自分の形に育っていく財布ですから愛着があるってもんではないですよね。愛おしい財布になってしまいます。新品の輝くように美しさも良いのですが、くすんだ味わいにも暖かさがあり、そして、愛着がわいてくるのです。このような印伝の商品にはいろいろと種類があります。もちろんバックから財布のような小物類まで。デザインもトンボのようなデザインや波型のデザインなど、一度手にして、見てもらえばすばらしさが分かるかもしれません。面白いのを発見しました。それは、トンボのデザインの話です。私も印傳のお店に入った時に、いろいろな柄がありますが、トンボというのは面白いなあ。と思っていたのを思い出します。そして、当然妻にトンボの財布をプレゼントしました。このトンボの柄にも理由があったなんて。そうなのです。トンボの別名は「勝ち虫」だそうです。俊敏に力強く飛び回り、決して後ろ向きには飛ばないことから「勝ち虫」と呼ばれて、戦国武将に好かれた柄だそうです。それを聞いてますます好きになった柄ですね。ちなみに今の財布はトンボ柄です。





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