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 '06/11/15 ゴルフボールについて

私たちゴルフをする人にとって、ボールはないと競技が成り立たない重要な道具の一つです。といっても、ゴルフクラブのように、適したクラブ選択によって、スコアーがかわってくるものと違い、どんなボールを使ってもプレイできますし、良いスコアーも出ないわけではないのです。当然飛び方や飛ぶ距離、またグリーンに落ちてからの止まり方などは違ってくるので重要な役割も持っているのですが、ボールにこだわらないプレイヤーも数多くいるようです。ここでは、そんな脇役風のボールですが、意外にたくさんの種類がありますので、簡単に説明していこうと思います。

 ゴルフボールは最初羽毛を皮で包んだ手作りのものが使われていたそうです。その後、1848年に量産可能なガッタ・バーチャボールという表面がスムースなボールが現れました。表面に傷をつけることにより飛距離が伸びる事が分かったのは後の事です。それから、網目の付いたタイプのものや小さなくぼみの付いたタイプのボールが普及してきたのです。1898年に今度は素材がゴムのゴルフボールが使われるようになりました。(これは今でも練習用として使われているボールです。)それから、1901年にハスケルラバーコアボールというゴルフボールの表面にいぼいぼの突起が付いたボールを使うようになったのです。私は実物を見ていませんが、パターの転がりには苦労したのではないでしょうか。1908年に現在のようなゴルフボールが使われるようになりました。1930年に、初めて全英ゴルフ協会によってゴルフボールの規格が確立されたのです。現在の重量が45.93g以下、直径4.27cm以下になっています。

 現在、ゴルフボールの種類は数え切れないほどありますが、昨年まで使っていたボールが今年はもう販売されていないというほどゴルフボールの技術も日進月歩を繰り返しているのです。私たちアマチュアのようにクラブのシンで打てれなくても、そこそこ飛んでくれるボール、パットを打っても重心が中心からずれていないで、一定の正しい距離を飛んでくれるボールなのです。今のボールは良く飛んで、そして、グリーンに行ったらスピンがかかりピタッと止まり、耐久性の優れているボールがやっぱり良いのです。しかし、値段的には高級になってきます。自分にあったボールを探すというのもゴルフの上では大切な事なのです。我々質屋はこういった高級なゴルフボールも質草として取り扱っているのです。





 '06/10/31 ゴルフについて

誰にでも楽しめるスポーツであるゴルフ。世界中で愛されている、そして私の趣味でもあるゴルフについて、大変歴史が古いゴルフについて、少しお話してみようと思います。

(1)ゴルフの歴史
ゴルフの起源はいろいろな説があるらしいのです。その中で、スコットランドの羊飼いが、先の曲がった棒切れで小石を打って、地面に空いたウサギの巣穴へ入れて遊んだのが最初だといわれています。

15世紀になって、スコットランドではゴルフが盛んになり、武道や弓道の鍛錬の妨げになるとして、国民にゴルフ禁止令が出された事があります。しかし、世の中が平和になった16世紀には、国王自らがゴルフをするようになったとの事。このように、我々が夢中になるのも歴史から見ても当たり前のようです。

やがて、ゴルフはスコットランド東部から広まって、イングランドで盛んになりました。そして、18世紀の前半に最初のゴルフ倶楽部が結成されたのです。同時にこの頃アメリカにゴルフが伝わったのです。

1888年にアメリカで初めてゴルフ倶楽部が結成され、翌年に米国ゴルフ協会が創設されました。1895年に全米オープンが開催されるのですが、全英オープンに比べて遅れる事35年でした。その後のアメリカ人の活躍は言うまでもなく、今やアメリカのスポーツを語るにはゴルフなしでは語れなくなってきたのです。

○日本のゴルフの歴史
1901年にイギリス人の貿易商アーサー・ヘルケス・グルームとその友人たちが神戸の六甲山に4ホールの手作りのコースが出来上がったのが最初みたいです。その後1903年に全長1500ヤード程度の9ホールのコースが出来上がり、神戸ゴルフ倶楽部として創立されました。ちなみにパー61でロングホール(パー5)はなく、ショート(パー3)が11ホールとミドル(パー4)が7ホールです。一度行く価値はありそうですね。

日本人最初のプロが誕生したのが1920年です。兵庫県の舞子カントリー倶楽部で福井覚治選手が第一号だったそうです。福井選手はアマチュアを育てたり、関西のゴルフ界にたいへん貢献したとの事。選手としても関西オープン選手権で優勝したりと活躍したとの事。

今でも私が好きな選手の一人、尾崎将司(ジャンボ尾崎)が1971年に甲子園での優勝投手がプロゴルフ界に入って日本プロ選手権で優勝しました。プロ野球を断念して、ゴルフを始めて1年半経過しての快挙でした。現在タイガーウッズのように3歳からゴルフを始めたりと低年齢化が進んでいるゴルフ界ですが、いかにジャンボがすごいかがわかりますね。このジャンボの活躍などでファンが多くなり、ゴルフ人口も多くなり、1987年の頃には日本のゴルフ場は1500コース以上という世界2位のゴルフ大国になったのです。

そして、現在に至るのですが、岡山県はゴルフ場が多いところです。千葉県、兵庫県に続いて多い県なのです。その中では名門のゴルフ場が数コース、私のまだ行った事がないコースもたくさんあるのです。次回はゴルフボールについてお話いたします。





 '06/10/16 機械式時計について(4)
私の憧れる機械式時計の中でもクロノメーターが付く時計は特に、すばらしいと思います。このクロノメーターの認定検査について、少しお話して見ましょう。
スイス公認クロノメーター検査協会(COSC)が一個一個のムーブメントについて急激な温度変化や機械的なショック、高湿度や強力な磁場への露出など時計を身につけた時に起こりうる過酷な条件の下で最低15日間、時間にして360時間にわたり連続してテストをして、全種類の過酷な条件を統合して一日当りの進みや遅れが−4秒〜+6秒以内に入ったものだけが、クロノメーターとしての称号が与えられます。この検査協会の認定書を受けた時計は現在ではけっこう多く、ロレックスをはじめ、オメガやブライトリングなどがあるのです。

 ここでもっと機械式時計の奥の深さを感じましたのは、クロノメーターの検査よりももっと厳しい条件で検査をする品質規定があるのに驚かされました。それが「ジュネーブ・シール」といいます。このジュネーブ・シールについても少し説明してみましょう。  ジュネーブ・シールとは字のごとくジュネーブ州が定める規定に基づいた品質規定をいいます。前述で説明しましたクロノメーター(COSC)のテストが360時間に対して、このテストは、それを上回るテスト時間で600時間(25日間)です。現在、この認定を受ける時計の95%がパテック・フィリップ製なのには、私も驚いてしまいました。思い起こせば、確かパテック・フィリップには、その「ジュネーブ・シール」なる刻印が押されていたのを思い出されます。

 このジュネーブ・シールの基準を満たすためには、12条からなる設定条件が設けられており、条件の一つには組み立てと調整は、ジュネーブ州内で行われなくてはならないため、どうしても認可を受ける事のできる時計メーカーは、パッテク・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンチン、ショパール、ロジェ・デュブイの4社がほとんどになっているのです。どうりで他にもすばらしい時計はありますが、この4社の機械式時計は特にすばらしい(=高額)と言われる所以かもしれません。





 '06/09/30 機械式時計について(3)

クロノメーターについて
「クロノメーター」の機械を搭載している時計は意外と多く、皆さんが良くご存知のロレックスの時計はほとんどがそうです。また、最近よく見かける航空時計のブライトリングなど、機能性やデザインに加え時計本来の精度を重視してきたようです。実際に「クロノメーター」搭載の時計は、スイス国内で生産される約3000万本の時計の3%の時計がそうなのです。

この「クロノメーター」について簡単に説明してみましょう。まずは名前の由来からです。1700年代にさかのぼります。精度の良い時計が必要だった航海で、事故を防ぐためにイギリスが、賞金を用意してコンクールを開いたのが発端だったみたいです。これに優勝した時計を「クロノメーター」と呼ぶようになり、そのうち他国でも天文台による精度検定が行われるようになりました。しかし、当時の時計は船用ということで腕時計とは違いサイズが大きく提げ時計だったみたいです。このため、この「天文台クロノメーターコンクール」は1960年に中止されたのです。  現在の「クロノメーター」はかなり最近で、スイス国内各地の、一般用時計を独自に検定する機関がスイスクロノメーター検査協会(Controle official Suisse des chronometres;COSC)として統合され、検査基準も統一されるようになったのが1951年の事だったのです。
クロノメーターの検査内容については、また次回に説明するとしまして、設置位置や温度を変化させて機械式時計の精度を見るもので、大体すべての環境で日差−4秒〜+6秒以内の誤差に収まった時計に認定が与えられるのです。クォーツ時計の誤差はどうなのか考えてみてください。日差±0.2秒なのです。いかに「クロノメーター」といえども機械式時計はクォーツ時計に比べていかに精度が劣るかという事になるのです。そこが機械式時計の良いところでもあり、毎日一番に時計を合わすところから始まり、時計を触れられる幸せがあるのです。





 '06/09/15 機械式時計について(2)

 皆さんは「クロノグラフ」と「クロノメーター」の言葉の違いをご存知ですか。同じ「クロノ」で始まるので紛らわしく分かりづらいため、まず「クロノグラフ」について今回はお話いたしましょう。

 クロノグラフとは時間を示してくれる時計の中に、ストップウォッチ機能を搭載している時計のことです。要するに目玉が2個ないし3個付いていて、その目玉がストップウォッチの機能になっている時計のことですね。目玉が付いているとかっこよく見えますし、スポーツウォッチと呼びます。ロレックスなどは人気があるため値段がぐんと高くなります。このクロノグラフはインダイアルに30分計や1時間計が配備されていて、タキメーターやスプリットセコンドの機能を備えているものも存在します。リューズを挟んで上がスタートボタンで下がリセットボタンの配備になっているものが多いです。操作する段階で、ストップボタンを押し、針を進めている状態で、リセットボタンを押したりした場合は故障の原因になったり、強い負荷がかかり歯車が痛むため、操作をする時には充分注意が必要であります。我々も取り扱う機会が多いですが、必ずストップ機能を操作してみて、リセットした時に12時のところに針が必ず帰っているか、またはストップ機能が正常に働いているか等、注意して見ないといけないのです。やっぱり3針の時計に比べて、文字盤が複雑になるため、またボタンも多くなるため、シンプルではなくなり嫌う人もいると思いますが、これは人それぞれの好みの問題でしょうね。次回は「クロノメーター」についてお話しようと思います。





 '06/08/31 機械式時計について

 我々質屋は日常的に腕時計を手にしているといっても過言ではないでしょう。そのぐらい質草としての時計のしめる割合がここ最近多くなってきました。そうすると、私を含めて必然的に時計について詳しくなりますし、好きになっていきます。とはいうものの、時計というのは何百種類というメーカーがあり、それをすべて把握するのはなかなか困難であります。だから、お客様が新しい、変わった時計をお持ちになりますと、また定番の時計でもそのお客様の使い方によって、お客様の癖やお客様の時計に対する思い入れを感じたりもするのです。そのため、時計に対する出会いというものを感じ、すごく楽しくなってくるのです。しかし、時計屋ではないので時計の中を開けて機械を見るという事は出来ません。時計の調子をみたり、程度を見たりする事は結構難しく、その見方によっては大分相場というのがかわってくるのです。

 今回は「機械式時計」について少しお話していこうと思っています。ゼンマイを巻き上げて、元に戻ろうとする力を動力として歯車をまわし、針を動かします。このような時計を「機械式時計」といいます。針や歯車の回転を一定に保つ調速機構やカレンダー、複雑なストップウォッチ機能のすべてにおいて、電気やモーターを一切使わないゼンマイ仕掛けの機械の事をいいます。

 機械式の時計には、ゼンマイの巻上げをリューズによって行うものを「手巻き式時計」と、ムーブメントのなかのローター(回転錘)という部品が腕の振りによって回転しゼンマイを自動的に巻き上げる「自動巻き時計」(オートマティックともいう)の2種類に分けられます。現在は自動巻きが主流になっていますが(例として代表的なロレックスやオメガなど)、細部まで伝統的なこだわりを持った高級時計には手巻き式の時計も数多くあります。私も手巻きの時計は数点持っていますが、ゼンマイを巻いて腕につけるという行為は、その時計を愛する私にとっては苦痛というよりもむしろ、その日一日腕につけて自分と一緒に時を刻んでくれるという楽しい気分にさせるのです。 この機械式時計の中にはクロノメーターの検査をパスした時計があります。このクロノメーターについて次回ご説明いたしましょう。





 '06/08/02 綺麗だけど価値のあまりない宝石(ブルートパーズ)

ブルートパーズ
 トパーズにはサファイアのようにいろいろな色があります。中でも価値がある色のトパーズにはインペリアルトパーズというオレンジ色から赤みのあるトパーズをいいます。その中でも特に赤みのあるシェリー酒のような色のインペリアルトパーズが良いとされています。このような石は、当然価値がありますし、値段をつけないといけない宝石になります。
 反対に市場で多く出回っているトパーズの中には、あまり価値のない宝石、私ども質屋があまり中石をふまない宝石があります。それがブルートパーズです。このほとんどの宝石が処理した石になります。また天然のブルートパーズは色が淡いため、宝石としてカットされる事はほとんどありません。今市場に出回っている透明感があり、そしてテリがある見事なブルーの宝石、ブルートパーズは処理石になるのです。無色のトパーズを放射線や高エネルギーの電子線等の照射と、その後の加熱処理によりブルーに着色させたものなのです。
 ブルートパーズは前回とりあげたアメジストと同じような事がいえます。大きい結晶がたくさんあり、また大量にとれるため大振りなペンダントや指輪などに使われますが、たくさんあるがゆえに、ほとんど石を値段に入れたらいけないのです。たまにカットが特殊でデザインで売れるものも稀にありますが、そのぐらいの宝石になります。また同じような色の石でアクワマリンという宝石があります。その宝石の代替品として良く使われる宝石でもあるのです。
 トパーズは11月の誕生石になります。ブルートパーズのように澄んだ綺麗なブルーの色の宝石を好きな人は多いでしょう。宝石の価値にとらわれず綺麗な宝石を持って楽しまれたらと思います。




 '06/07/16 綺麗だけど価値のあまりない宝石(アメジスト)

アメジスト
私が良く見かける商品の中で、一番目に付くのはアメジストです。このアメジストという宝石は結構色が深く、見た感じは綺麗です。テリがあり、透明度も高くまさしく、美しい宝石の一つではないでしょうか。
 ところが、アメジストという宝石は、大きい結晶が採れるのです。またスモーキークォーツ(茶水晶)を照射処理する事によって、アメジスト(紫水晶)にすることもあります。つまり、たくさん採れるために宝石としての価値は低いのです。
 ここで質屋から見た商品としてのアメジストついて少しお話しておきましょう。たいていのものにはたいした値段がつきませんが、アメジストがついている商品でもたまに売れるようなものもあります。例えば、ブランドが出している商品です。これは当然アメジストに対する値段ではなく、ブランドによる値段になります。また、アメジストなどの宝石をカメオみたいに掘って細工している商品です。このような手の込んだ細工物は売れるのですが、アメジスト自体の価値ではないのです。また、ペンダントなどには良くある商品で、お化けのような石をつけている商品があります。大きさでいいますと50ctとか100ctぐらい大きいのもあります。このような商品は、もちろんそれを支える金(K18)かプラチナが大きくないと支える事ができないため地金計算でも高くなります。しかも、そういう商品はダイヤが入っていたり他の宝石が入っていたりとデザインも豪華になり、付加価値が付き結構高く売れたりするのです。
 このように、アメジスト自体はほとんど価値のない宝石になりますが、商品によっては値段も付くこともあるのです。
 私が印象に残っているものの中では、縁日や祭りの時などによく外人が売っている鉱物の置物があります。ざくろのようにぱっくりと割れた玄武岩の晶洞の中にアメジストがはいっているものです。何十万円という値段がついていますが、こういう商品も置物としての価値はあるのでしょうが、宝石としての価値はないに等しいのではないかと思われます。ただアメジストが好きな方も多いと思いますが、綺麗な宝石である事の変わりはないのです。気に入って購入した宝石であれば、大切にするのは当然、色や形を楽しんでいただければと思います。



 '06/06/30 綺麗だけど価値のあまりない宝石

 我々宝石のプロが、日々宝石を見ていて「綺麗だなあ」と感じる宝石は結構あります。「宝石は綺麗じゃないと宝石ではない」というのを何かの本で見ましたが、当然のことです。しかし、実際にはそんなに綺麗ではないけれど、プロの目から見た場合は「○○だから、これだけの価値があるのよ。」という宝石も実際にあります。また宝石の場合は皆さんも知っているように天然ですから、自然界にできるものです。そのため大きくなればなるほど、そんなに綺麗でないものでも価値の出てくるものもあるのです。

例えば、アレキサンドライトという宝石があります。この石は太陽光線下で見た石の色目と蛍光灯下で見た石の色目とが違うのが特徴の宝石です。当然色目がものすごく変わるものや大きいものが高価な石になってきます。中にはほとんど色目の変化しないアレキサンドライトもあります。かろうじて変化しているだろう、なんてのもありますが、それでも1キャラ以上ある石はたいへん高価になってくるのです。このように、効果がほとんどない石でも大きくなれば高くなる石もあるということです。また、希少性のある宝石については、もちろん綺麗でしたら当然のように高価ですが、あまり綺麗でなくても高価な宝石もあります。例えば、トルマリンの中にパライバトルマリンという宝石があります。話せば長くなってしまいますが、このパライバトルマリンというのは、最近の宝石で大変高価な宝石の一つです。石の色目が大変特徴的で真っ青な感じの宝石です。しかし、多少色が悪くても売れてしまったりするのです。もちろんパライバトルマリンだからです。私たち一般の人が見たら、そんなに綺麗でなくても、「パライバトルマリン」と名が付けば売れてしまったりするのです。

 反対に、私がテーマにした「綺麗だけれど(一般的に)あまり価値がないのですよね」なんて思う宝石もたくさんあるのです。その原因の一つはなんといっても大量に採れる宝石。また大きい原石が採れる宝石は、いくら綺麗な宝石でも小さいものに関しては価値が低くなるのです。また、宝石自体はあまり綺麗ではないのですが、改変や処理を行うことによって、大変綺麗になる宝石もあります。このような宝石も、当然価値が少ない宝石に挙げられてきます。こういった宝石を少し考え、書いてみようと思います。



 '06/06/17 備前焼について(6)

備前焼についても、すでに5回書いてきましたが、今回で最後になります。今回は平成16年に国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に岡山県としては6人目となる認定を受けた伊勢崎淳先生についてご紹介します。

伊勢崎淳
昭和11年・・伊勢崎陽山の次男として生まれる
昭和34年・・岡山大学特設美術科を卒業する。同時に陽山について本格的に作陶活動に入る
昭和36年・・父陽山と兄満と姑耶山(こやさん)の古窯跡で平安時代の古窯の復元に成功する
昭和53年・・岡山大学特設美術科で教鞭をとる
昭和55年・・金重陶陽賞を受賞する
昭和62年・・田部美術館茶の湯の造形展優秀集賞受賞する
平成05年・・岡山県文化奨励賞受賞する
平成08年・・山陽新聞賞(文化功労賞)受賞する
平成10年・・岡山県重要無形文化財保持者に認定される
平成16年・・人間国宝に認定される

火襷(ひだすき)の作品を得意とします。火襷とは、白色あるいは薄茶色の素地に赤  い線があるもの。どうやってその線を現すかというと、作品の間にワラをはさんだりと か、巻いたりして、また大きな作品にはサヤの中に入れて直接火が当たらないようにし て焼いたりして現れた模様をいうのです。また、斬新な造形や陶壁など、伝統的な技法 も用いながら、現代感覚を取り入れた作品が大変な評価を受けているのです。  作品としては、岡山大学生会館玄関ホールの壁面装飾陶板や首相官邸ロビーの陶壁、 オブジェ風の現代陶など幅広い作品が知られています。



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